6月7日 さわらび大学レポート

6月7日 さわらび大学レポート

日時 :平成29年6月7日(水)13:30~
場所 :福祉村病院 大会議室

〇開校式

 山本孝之理事長出席のもと、平成29年度のさわらび大学開校式が行われました。また、平成28年度のさわらびマスター認定証の授与が行われました。

○講義1「介護者の実例について」

講師:芦原地区在住民生委員    上村 清三氏

   豊橋市弥生町在住      M・K氏

   福祉村地域包括支援センター 居澤 知佳氏

1.芦原地区における助け合い活動

上村様が芦原地区で実際に行われている助け合いの活動をお話ししてくださいました。

(1)民生児童委員の主な仕事

・高齢世帯、独居世帯、身障者訪問
・赤ちゃん訪問
・シルバー券配布
・老人会打ち合わせ

(2)見守り隊の仕事

・芦原小学校の送り迎え

(3)「認知症予防会」の仕事

・毎週1回・会費100円 全会員31名
・計算問題、漢字問題、早口言葉、故事のことわざや毎日の滋養法を披露するなど

会場の皆さんとギター演奏に合わせ、月の砂漠などを合唱しました。
最後に上村様が最近感動したことばを紹介していただきました。

    「アリガトウ」という気持ちをくれた貴方に有難う

 ありがとうの反対言葉は「当然、あたりまえ」なのですが、感謝を伝えてくれた相手に感謝する気持ちがこれから大切になると感じました。

2.奥様の介護について

 M・K様が奥様の介護についてお話してくださいました

 M・K様の奥様は9年ほど前、初めはスプーンやコップを食事中に落とすようになり、脳神経外科に受診すると、アルツハイマー型認知症かもしれないと医師から言われ薬の服用を始めました。しかし、薬は認知症を治すものではなく、進行を遅らせるものでした。
 その後、介護者の家族会等に参加した時に福祉村病院を知り、受診したところレピー小体型認知症と診断され、デイサービスを週3回利用しながら、在宅介護を続けておられました。しかし、食事の世話、下の世話、幻覚症状等あり、介護者の自分が疲れてしまったため、医師に相談すると入院を勧められました。自宅で1人は寂しくなりますが、自分が潰れないようにと考え、入院を決心したそうです。
 夜一人は寂しく、妻と喧嘩した頃が懐かしい。喧嘩出来る相手がいることを皆さんも幸せと思ってほしいと話していただけました。
 1人になり自分が元気でいるために、近所づきあい、サークル活動への参加、男の料理教室(お惣菜ではなく自分で作る)等、人づきあいに心掛けておられるそうです。高齢者社会では、ご近所での声かけが大切で、色々な方と話をすることで、自分の気持ちが豊かになってゆくとのことです。
 現在、奥様は寝たきりの状態ですが、面会時に手を握り話しかけて、妻に気持ちが通じている事を心で感じいるとお話ししてくださいました。
実際の自分の家族の介護に向き合うときに大変参考になるお話しでした。

○講義2「肩、腰、膝の運動器疾患とその対策」

講師:福祉村病院 リハビリテーション部
     部長   榊原 利夫氏

 今回は介護の状態にならないように予防するために、病気をする前に基礎体力をつける方法について、お話ししていただけました。

 病気やけがの程度、年齢、元々の体力などによって、回復の限界は決まっており、全ての人が発症前の状態に戻るとは限りません。
 しかし、脳梗塞などで後遺症、片麻痺になってしまった場合でも、考えてほしいのはもう片方動くことで、その残存機能を使い工夫する事で体力を補うことが出来るとのことでした。
 必要なことは、自分の残存能力を自分自身が理解する事、また、本人の身体能力を周りの方にもわかっていただくことが重要だとのことです。
 リハビリが成功するためには、本人の意欲が最も重要なことだとのことです。

 そのためにも元気なうちに体力を高めておき、障がいが残っても自分の能力を知り、出来る事は自分でやるようにすることで、前向きに楽しく生きていけば、心身両面を向上させることができると話していただきました。

 体を動かす要素は、「筋力・柔軟性・バランス」でこれらを鍛えることで体力を高めることができるとのことでした。
 例えば、スクワット運動で大腿四頭筋が鍛えられます。股関節を横に開いたりすることでも筋力は強化されます。つま先を上げる運動をすることで、前脛骨筋を鍛えることができるそうです。
 また、前屈して腿の裏を伸ばすと柔軟性を高めることができるとのことでした。

 肩関節に多い疾患として五十肩・脱臼・肩こり、腰椎に多い疾患として腰痛症・脊柱管狭搾症・分離・すべり症などを防止するための体操を、榊原先生が実演を交えながら講義していただきました。

 五十肩の痛みを軽減するコッドマン体操など、どれも自宅で簡単にできる体操ばかりだったので、ぜひ痛みに悩まれている方は実践されるといいかと思います。非常にわかりやすく講義していただき、勉強になりました。