11月4日(水) さわらび大学レポート

11月4日(水) さわらび大学レポート

日時 :平成27年11月4日(水)
会場 :野依校区市民館

○講義2 「リハビリの力」

講師 リハビリテーション部長 榊原利夫氏

1.リハビリテーションの意味について

リハビリテーションは訓練という意味ではありません。

Re (再び) habilis (適した) ation (~にすること)

リハビリテーションが初めてつかわれたのは、中世ヨーロッパで宗教上破門になった人の復権の働きかけに対して初めてこの言葉が使われた。
リハビリテーションとは人間らしさの回復=QOLの確立

2.QOLの確立とは?

Quality of life = 生活の質

質の高い生活、生きがいのある生活を目指そうと言う考え
体が五体満足なだけでなく、心も健康である事

ADL activity daily living 日常生活動作→自立

リハビリテーションの目標はQOL確立
質の高い生活とは、その人が思い描く生活

3.リハビリでは体は元通りになるのでしょうか?

病気やけがの程度、年齢、元々の体力などによって、回復の限界は決まっており、全ての人が発症前の状態に戻るとは限らない。
脳梗塞などで後遺症、片麻痺になってしまったら、まず考えるのはもう片方が動くこと。残存機能を使い、工夫する事で補うことが出来る。
自分の残存能力を自分自身が理解する事が必要。
また、本人の身体能力を周りの方にもわかっていただく。

4.リハビリが成功するために重要な事はなんでしょうか?

本人の意欲が大切

病前の基礎体力→介護予防

介護の状態にならない様に予防する事

体を動かす身体的な要素→ 筋力・柔軟性・バランス ←鍛えることが大切

筋力・・・大腿四頭筋(スクワット)、股関節(横に開く)、

前脛骨筋(つま先を上げる。)

柔軟性・・前屈して、腿の裏を伸ばす。
バランス・・両足を閉じたまま立つ、片足立ち等。

5.リハビリの力とは?

元気なうちに体力を高めておき、障がいが残っても自分の能力を知り、出来る事は自分でやるように、前向きに楽しく生きていけるように心身両面を向上させられること。

認知症介護の三原則 = リハビリの三原則
いつも暖かい愛情と笑顔で
決して、叱らず、制止せず
今、できることをしていただく。

【質疑応答】

Q.体力維持に散歩が有効だと言われていますが、農作業は散歩の代替えになりますか?

A.なると思います。

散歩の効能・・肥満の解消、糖尿病などにも有効です。少し早歩きで20分~30分以上歩いていただきたい。脈拍が100を超えない程度で、有酸素運動をしていただきたいです。

Q.痛みは我慢しないといけないですか

A.痛みの場所や原因によって対処が違います。

慢性の腰痛には、腰痛体操をおすすめします。
膝の痛みには、大腿四頭筋を鍛えることが必要です。
関節の痛みには、筋力をつける事が大切です。