2021年度新規採用職員研修レポート(2日目)@研修委員会

2021年度新規採用職員研修レポート(2日目)@研修委員会

講義:社会人としての基本的ルールとビジネスマナー
講師:福祉村病院 副院長 山本淑子

山本副院長には、社会人に必要な意識について講義をしていただきました。
社会人は知識を得ることが目的の学生と違い、得た知識を活用して能動的に活動(仕事)をする必要があります。またその評価は上司や利用者がすることになるため、その仕事、結果が相手にどう見られるかを意識する必要があります。そして決められた作業にプラスアルファの働きをすることを、仕事として取り組むべきとのことでした。
また昨今の新型コロナウイルス感染症の医療福祉現場での流行を踏まえ、各自でできる対策や、感染が疑われる場合に取るべき行動についてもご講義いただきました。多くの仕事はチームで取り組むため、同僚や利用者に感染を広げないことが、自身が感染しないことと同じくらい重要であるとのことでした。
(フェリス福祉村 瀧崎)

講義:組織活動の理解
講師:特別養護老人ホームさわらび荘 施設長 太田育郎

この講義では、組織活動の理解や対人支援の基本的視点についてご講義頂きました。
組織活動の理解では、組織とは何か、そして組織人としての意識、チームマネジメントを学ぶ中で、顧客ニーズに沿ったサービス提供を行うために顧客意識を持つこと、更に実際の業務においてはPDCAが重要であることを学びました。
対人支援では、様々な視点により自立を支援し、ADLの向上ではなくQOLを高めることが重要とのことでした。また相談援助においては傾聴の姿勢を基本とし、利用者様の表情などからより多くの情報を収集するとともに、得た情報を掘り下げることで問題の本質を把握することが大切とのことでした。
最後に、世の中は常に変化している。その変化に対応し、自分自身を高め進化していかなければならない。すべての答えはこれからの各自の中にあるはずです、とのことでした。
(珠藻荘 佐宗)

講義:身体障害者福祉について(1)
講師:障害者支援施設珠藻荘 施設長 黒栁晴彦

この講義では障害者総合支援法に至るまでの経緯を含め現代社会における障害者の実情と、入所利用者の施設生活の現状についてご講義頂きました。障害者の実情については、障害者基本法の第1条から第5条の解説から障害者施策の変遷、障害者総合支援法に基づく障害の種類や障害福祉サービスの体系について講義を頂く中で、さわらび会のどの施設がどの障害福祉サービスを担っているか、また具体的に地域社会における共生、差別の禁止、国民の理解・責務、国や地方自治体がすべきことなどを学びました。
また、珠藻荘の利用者様の区分状況や障害状況などについても具体的に数値や傷病名・障害名で学ぶ事が出来たほか、利用者様の日常生活をご紹介いただいたことで、入所されている利用者様の状況について理解を深める事が出来ました。
今回の講義を受け、地域社会における共生と差別の禁止について再確認すると共に、さわらび会の目的・役割について再認識いたしました。
(珠藻荘 佐宗)

身体障害者について(2)
講師:障害福祉サービス事業所 しろがね 施設長 石黒稔

この講義では、さわらび会の在宅で生活されている障がい者に対して、どのようなサービスを提供しているかを学びました。そして、介護する側・される側にとってより良いケアとしてノーリフティングケアを行うことでお互いに安心・安全なケアを受けられることも学びました。5月オープン予定の障害福祉サービス事業所・すみれの紹介や、障害者手帳や療育手帳を・受給者帳を取得することで、いろんなサービスを受けることが出来ることも学びました。
(明日香 鈴木)

知的障害者について
講師:障害福祉サービス事業所 明日香 施設長 井上幹詞
障害者支援施設 あかね荘 施設長 今泉悟

この講義では、知的障害・ダウン症・発達障害・自閉症・統合失調症など障害の種類とその特徴について学び、障害の方達とどのように接すればよいかを具体的に講義頂きました。
また、明日香のような通所の施設の役割と、あかね荘のような入所の施設の役割の違いなども学びました。
(明日香 鈴木)

講義:高齢者福祉について①
講師:軽費老人ホーム 若菜荘 施設長 山田和史

この講義では、軽費老人ホームについて、老人福祉政策の経緯や高齢者を支える制度についてご教授頂きました。
軽費老人ホームとは、基本的に自立した60歳以上の高齢者が入居できる施設で、食事がついた1ルームマンションのような所です。
高齢者福祉とは社会福祉制度の一分野で、特に高齢者を対象とするサービスの事を指します。老人福祉政策の経緯では、老人福祉法の制定から介護保険制度の実施、ゴールドプラン21までの政策を高齢化率と照らし合わせながら説明され、措置から契約までの流れを学ぶことが出来ました。
最後にバリアフリー法について話され、身の回りにはまだ整備されていない所がたくさんあり、日ごろ利用する場所がバリアフリーになっているか見てほしいと締めくくられました。
(若菜荘 鎭浪)

講義:高齢者福祉について②
講師:介護付有料老人ホームフェリス福祉村 施設長 長坂敏幸

この講義では高齢者福祉政策の流れについてご教授頂きました。
1960年の高齢化率は5.7%で、1963年に老人福祉法が制定され、特別養護老人ホームの創設、老人家庭奉仕員(ホームヘルパー)が法制化される。1982年に老人保健法が制定され、老人医療費の一定額負担の導入等あり、1980年にゴールドプランが策定され、施設緊急整備と在宅福祉の推進が図られました。1994年に新ゴールドプランが策定され、新・高齢者保健福祉推進十か年戦略で在宅介護の充実が図られました。
2000年の高齢化率は17.3%になり介護保険制度が実施。介護保険法が施行し、2005年に介護保険法の一部が改正されました。
介護保険の導入の経緯としては、高齢化の進展に伴い、要介護高齢者の増加、介護期間の長期化など、介護ニーズが増大する一方で核家族化の進行、介護する家族の高齢化など、要介護高齢者を支えてきた家族をめぐる状況も変化し、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組み(介護保険)が創設されました。
地域包括ケアの考え方は、高齢者が住み慣れた地域で、安心してその人らしい生活を継続するため、高齢者のニーズや状態の変化に応じて、切れ目なく必要なサービスが提供される体制を整備するというものです。高齢者の生活を支える役割を果たす総合機関、地域包括ケアや予防重視システムを支える中核的な機関として、地域包括支援センターが設置されています。
福祉村の仕組みでは、認知症介護の三原則と福祉村の三原則、さわらび会の事業所、医療と福祉の連携、世代と障害の種別を越えた支援について説明していただき、最後に認知症の方への良い接し方やケアや介護の窓割れ理論について話され、改めて「言葉」の大切さについて学ぶ事が出来ました。
(若菜荘 鎭浪)