10月26日(木)テーマ別研修「口腔ケア」

10月26日(木)テーマ別研修「口腔ケア」

日時:平成29年10月26日(木)14:00~16:00
会場:珠藻荘2階 多目的ホール
講師:医療法人正眼堂 疋田歯科医院 疋田 涼 医師

今回は疋田歯科医院の 疋田 涼 医師をお招きし、「歯科との連携口腔ケア」の研修を行いました。
この研修には福祉村病院をはじめ、各施設より26名が参加し、真剣な中にも笑顔が見られ充実した研修でした。
講義の構成は前半が講師の医師による口腔ケアの重要性を盛り込んだ座学で、後半は実際に参加者が2人1組となり医師のご指導のもと、口腔ケア(洗口の方法が中心)を体験するという実技でした。
講義の中では、正しい口腔ケアを日々行うことで歯のトラブル(虫歯や歯周病など)だけでなく、誤嚥性肺炎の予防や認知機能低下の予防など、幅広い面で効果が発揮されることを学びました。ちなみに、口腔内の細菌数はよく磨く人でも1000億~2000億個あまりで、磨かない人では4000億~6000億個、ほとんど磨かない人では1兆個(1gあたり)だそうです。糞便の細菌数が300億~500億個ということで、どれだけ口の中が汚れているかがわかります。毎食後の歯磨きの重要性が再認識できたと思います。
要介護者の歯科治療の重要度は、全体の約4分の3だそうです。つまり治療を施し、口腔ケアを行うことが大切であり、ケアのあり方も医師と患者だけでなく家族、介護士、栄養士、理学療法士等々、他職種連携が必要となると強調されておりました。
実技の方では歯ブラシを使い、隣の人を患者さんもしくは利用者の方に見立てて、実際に歯を磨いたり、ガーゼを指に巻き洗口、吸引を行いました。
また、ブラシの使い方や磨く角度、強さ、ブラシの持ち方まで細かく指導があり、一つ一つ確認しながらブラッシングを学びました。
嚥下訓練では、嚥下体操(飲み込み、顔、舌の体操)に加え、構音訓練が紹介されました。「あいうべ体操」と「パタカラ体操」ですが、この二つの体操は実際に声に出し、口を大きく開け発音することも、近年注目されている訓練だそうです。
口腔ケアとしては、1.洗浄・清拭2.洗口・吸引そして最後に保湿があり、専用ジェルタイプのクリームを口腔内に塗り、乾燥を防ぐことも大切なケアであると強調されておりました。
私達は日常の業務の中、ともすれば機械的に患者さんや利用者の方々の歯磨きをしていたのかも知れません。
今回の口腔ケア研修を境に、もう一度自身のケアのあり方を見つめなおし患者さんや利用者の方々の健康を第一に考えた口腔ケアを含む介助、支援を行っていきたいと思います。
(珠藻荘 宮本)